僕を救ってくれたもの

雄介です。




不登校になった時、僕はなかなか冷めた少年でした。(今でもあまり芯は変わってないかも。)






勝ち負けが嫌いで




励ましや綺麗事が嫌いで






なんでみんな同じように生きなきゃならないのか
そんな疑問ばかり考えていました。






そんなあの時の僕が強烈に引き込まれた映画がありました。






その時の話です。














僕はきっと世界で一番悪者だ






別に不良じゃないし






誰かを傷つけたいわけじゃない






みんなと同じように出来ないから




なんの役にもたてないから






こんな僕はきっと一生隅っこで生きていくんだ






気が付くとそんな事を呟いていた




学校を休み始めてから3年
僕は中学2年生になっていた






史朗や不登校親の会で出会った典くん(八田)とはいつも遊んでいるし
休み初めの時に比べると自分でもかなり元気になったと思う






だけど一人になると
自虐の僕が現れることがあった






そういえば幼い時から近所の山とか川とか
家から自転車で行ける範囲は知り尽くしていた






学校に行けなくなってからはほとんど行っていない
(とは言えのりくんと公園やびわ湖には行く)






世界はこんなに広いのに
この家から出ることさえ怖くなるなんて思わなかった






そんな時テレビであるCMが流れていた






スタジオジブリの新作映画「もののけ姫」のCMだった






僕はなんとなく観たいなと思った






そしたら母が今度観に行こうかと誘ってくれたので
僕はもののけ姫を見に行くことになった






後日
母と車で40分ほどの場所にある映画館に行った






不登校でも自分の学区からここまで離れるとずいぶん気が楽になる






そして映画が始まった






その時




僕は人生で初めてのめり込むほど引き込まれるという体験をした






何がとかではなく




その世界観そのものに引きこまれた






その日から




僕は寝ても冷めても
もののけ姫のことばかり考えるようになった






人は好きなものを見つけると
自分でも信じられないくらいの行動力になる






僕は週に2〜3回
必ず映画館に行くようになった






しかも一人でだ






もののけ姫の上映が始まると






僕はまるで自分の家に帰ってきたような感覚にさえなった






その間僕はもののけ姫の世界の住人になっていた






入れ替えのない映画館では一日中観ている時もあった






結局僕はもののけ姫の上映期間(3ヶ月ほど)
の間に24〜5回も映画館に通った






新聞配達の給料は全部もののけ姫に使っていた






人からはバカだと思われるかもしれない






でもその期間は
自虐の僕は現れなかった






それは僕にとってとても大きな救いだった






人は何かを好きになったり




はまったりすると元気になる






と言うのはまんざらでもないようだ






治るとか変わるとか
そんなものじゃなくても






少なくともしんどいことを忘れさせてくれたり




そのことを考える時間が減る






僕はもののけ姫という作品に感謝している




そしてきっかけをくれた母に感謝している






そういえば
今僕が着ている衣装も






なんだかもののけっぽいな(笑)

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