ヘール・ボップ彗星

こんにちは
雄介です。




不登校の時、
僕はいろんな経験をして
いろんなものに出会いました。




その中で人じゃなくても
僕に時別な気持ちを与えてくれたものが
ありました。




その時の話です。












[ヘール・ボップ彗星]





不登校になって2年が経って




僕は中学生になった






僕にとって中学生になるということは
大きな変わるきっかけだった






「学校に生き直す」




漢字は違うけど
それくらい僕の中では壮大なことだった








だけど


現実はそんなに甘くなく


僕はそんなに強くなかった






入学して一週間




そこまでは気力で登校していたけど




中学での通常授業が始まった頃


ある夜
またあの傷みが襲ってきた






小学校の時の登校前の身体の傷み






それが夜寝る前になると傷むようになった




そうなると寝れなくなる


自分を責める


心もしんどくなる




そういう負のスパイラルが始まるのだ






そして僕はまたフェードアウトするように
徐々に学校から離れていった




また自分を責める日々




だけど
そんな僕にとって学校以外での大きな変化がもう一つあった




それは新聞配達を始めたことだ








早朝の一時間


僕は毎朝家を出る






人に会うことが苦手で
運動不足で
不規則な生活をしていた僕にとって




新聞配達はまさにうってつけだった






朝6時までに配り終えられたら




自分の好きな時間に
自分の好きなペースで出来るから






人に会うとしても自転車に新聞を積み込む時だけ






僕はその僅かな時間に
社会との繋がりを感じていたのかもしれない








配達を初めて少し経った頃


世間ではこんなニュースが流れていた


「ヘール・ボップ彗星が地球に接近」






はっきり目で確認出来る時間は明け方頃だった






僕が初めてヘール・ボップ彗星を見たのは
自転車で配達場所の団地に向かう途中だった

ヘールボップ彗星


思わず僕は自転車を止めて
その姿に見入ってしまった






それからの数ヶ月


僕は毎朝ヘール・ボップ彗星に出会った




初めは挨拶


そのうち話かけるようになって




その時間だけ
僕は物語の主人公になっていた




一日のほとんどの時間を罪悪感と共に過ごしていた僕にとって




みんなが寝ている早朝のほんの一瞬


ヘール・ボップ彗星を見ている時が
全てを忘れる事が出来る特別な時間だった




それから彗星はだんだん小さくなって
どこかへ消えてしまったけど




僕にとって
ヘール・ボップ彗星との出会いが
あの時の心に大きな栄養をくれたことは事実だ










「また生きて会いたいね」


あの日


そう言って僕らはバイバイした

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