史朗の人生〜経験はかけがえのないもの〜【小学期(入学)】

前回幼稚園の卒業まで書きました。

ここから小学生。この6年間は僕の人生の基礎となった最もいろいろ感じた時期だったかもしれない。

今回は入学。

僕がみんなと同じスタートラインに立った時のことを書きます。

 

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幼稚園を卒園。

間髪入れずに小学校に入学の日がやってきた。

 

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僕らの暮らしている所は新興住宅地でどんどん家がたった。

近くにあった小学校は人がいっぱいになり僕らの学区に新しく学校ができた。

それでも生徒数1000人以上のマンモス校だ。

僕らはその学校の一期生。

 

 

チャイムが家にいても聴こえるくらいに近い。

校舎、グラウンド、体育館。

全てが新品で新鮮だった。

 

 

幼稚園には遅れて入ったけれど、ここからはみんなと同じスタートラインだ。

右も左も分からないのは皆おんなじはず、不安はそう思うことで乗り越えた。

 

 

入学初日に一つショックな事があった。

 

 

先生と親の会話を聞いてしまったこと。

先生「お母さん双子は同じクラスにはなれないんですよ。」

母「そうですか、助けあって友達ができなくなるって言いますもんね。分かりました。」

 

 

それだけの会話。

 

 

だけど僕の気持ちはいっきに沈んだ。

『今後雄介と同じクラスにはなれないんだ。』

 

 

そのことが僕にとってどれほど大きいことかきっと分かってはもらえないでしょう。

幼稚園で離されてからいつも意識していた。

 

 

【雄介が居なくなったら僕は生きてはいけない】

 

 

そんなことを毎日のように思っていた。

今考えると気持ち悪いが、当時は本気で思っていた。

他の双子さんも同じような気持ちなのか聞いてみたいくらい。

 

 

そして、案の定雄介とは別のクラスになった。

 

 

だけど嫌な気持ちはすぐに飛んでいった。

っというよりそんなことを考えている余裕が無かった。

覚えること、やることが多すぎる。

 

 

学校の間取り、自分の教室、自分の席、先生の顔と名前、友達の顔と名前。

なんだか少しパニック状態だ。

 

 

雄介はうまくやれてるだろうか。

周りのみんなもきっと同じ気持ちなはず。

「大丈夫」

そう自分に言い聞かせた。

 

 

入学して二、三日で授業が始まった。

新しいノート、筆箱、引き出し。

新築の校舎に匂いにグラウンドからの土の匂い。

天気の良さも重なってとても気持ちがいい。

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時間割りの説明があった。

 

意味は分からないが色々なことが時間ごとにやってくるみたいだ。

先生は女の人でとても優しそうだ。

うん。この雰囲気ならやっていけそうだ。

 

 

そしてこの日僕は初めて劣等感を感じることになった。

 

 

先生「じゃーまずは自分のノートに名前を書きましょう!」

最初の授業は自分のノートや筆記用具に自分の名前を書くこと。

 

 

みんなが自然に書き始めた。

あれ!?

僕は書けない。

 

 

というか文字なんて書いてみようとしたこともないし、これまでペンを握ったことも殆ど無い。

あれ!?

あれ!?

周りを見渡す。もう書き終えている子もいる。

 

 

先生はキョロキョロしている僕に気がついて、僕のところに来て書き方を教えてくれた。

書き終えた皆は僕を見ていた。

変な汗が止まらない。

 

 

今ではあまり見かけなくなったトランクスと同じサイズの短パンにTシャツ。涼しいはず。

暑くなんてなかったのに汗が止まらない。

あれ!?

あれ!?

早く書き終えないと!!

みんなが待ってくれている。

汗が止まらない。

 

 

僕は知らなかった。

 

 

自分の名前を覚えて入学するのが当たり前だったこと。

 

 

僕の家では僕らがとてもヤンチャだったことや、

この時期からお姉ちゃんが学校に行けなくなってきたことが重なって親に字を教える余裕は全く無かった。

 

 

この日僕は生まれて初めて皆と自分を比べた。

 

 

人の目線を気にした。

 

 

僕の小学校生活が始まった。

 

 

『スタートラインは同じじゃなかった。』

 

 

次回に続く

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